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幻の「芦屋のひまわり」

日本の「ひまわり」と言えば東京の損保ジャパン東郷青児美術館が所蔵する「ひまわり」を思い浮かべるが、実は日本にはもうひとつ「ひまわり」があったのはご存知だろうか。

それは兵庫県の『芦屋のひまわり』と呼ばれるもので、1920年にスイスから日本の実業家が購入したものという。白樺派の武者小路実篤が依頼したものとも言われている。当時東京や大阪で展覧会が開かれ「ゴッホのひまわり」として話題になった。

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5輪のひまわり
5輪のひまわり

5輪のひまわり

1888年8月初旬 アルル

第五二六信のテオへの手紙には「今三枚の画布に取り掛かっている。(中略)二番目は、濃紺の背景に種子のあるのと葉を取ったのと、蕾のとの三輪の花で二十五号サイズ」と記されている。

三輪のひまわり
「三輪のひまわり」1888年8月 アルル

ちなみに三枚の一枚目は右の緑色の背景の3輪のひまわり。三枚目は12輪のひまわりで、ゴッホはこの三枚目の「12輪のひまわり」を気に入り、この構想を基に5点制作した。東京の「ひまわり」はそのうちの1点である。詳しくは「代表作「ひまわり」は複数あった!」をご覧ください。

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「5輪のひまわり」のその後

芦屋市民には『芦屋のひまわり』と呼ばれ親しまれていたが、残念ながら第二次世界大戦の芦屋大空襲で焼失してしまった。他の画家の作品は壁に掛けてあっただけなので避難させたものの、この『芦屋のひまわり』は壁に固定されており移動させることができなかったという。

当時の金額で約2万円で購入された『芦屋のひまわり』。現在なら時価数十億にはなるだろう。何よりもひまわり連作の2作目という「ひまわり」の中でも価値のある「ひまわり」だ。焼失したのが無念でならない。

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ゴッホ.jp管理人 Yoshiki.T

ゴッホの筆致に魅力され独学で研究。大阪でデザイン事務所を経営する傍ら、ゴッホが関連する企画展は日本中必ず観に行く。国内のゴッホ研究の第一人者大阪大学教授圀府寺 司教授を尊敬している。おすすめはひろしま美術館の「ドービニーの庭」

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